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女形羽二重のつけ方(2人で)

 女形羽二重のつけ方1  生え際を出す様に髪の毛を押さえてもらう。
揉み上げの毛も親指で一緒に挙げてもらいましょう
 女形羽二重のつけ方2 生え際から5〜10o位下のおでこの中央に、羽二重を押さえ付けるようにあてます。
羽二重のこの部分には、滑り止めの太白が薄く塗りつけてあります。 
 女形羽二重のつけ方3  羽二重がずれない様におさえつけながら両側の生え際を隠す様に耳の上までもってきます。
 女形羽二重のつけ方4 耳の上のあたりを親指で、おでこを中指と人差し指で押さえてもらいます。
 
 女形羽二重のつけ方5  紫の布を軽く三つ折り程度にして頭頂部に置いておきます。
髪の毛をつむじあたりにまとめていきます。
写真の指の方向に注意
 女形羽二重のつけ方6 両手で毛を纏めていきながら、うなじの真ん中あたりから親指を下から差し込んで二つに割る。

 
 女形羽二重のつけ方7  2つ割った毛束を交差させる。
上側になった毛束で下側の毛束を押さえて下側の手を離す。
写真の場合は左手を離して右手だけで押さえています。上側になっている毛束で押さえているので落ちません。
 女形羽二重のつけ方8  押さえていた右手を、左手に変えてて押さえ直します。この際、掌全体で纏めた毛束を包み込むようにします。その掌の中へ残った毛先を巻き込んでいきます。
突き出た髷のようにならないようにしてください。つむじの周り全体に均等になるように纏めて下さい。
  毛束を纏める方法は、ひとつに纏めてつむじのうえでフレンチロールのように捻ってすぐに、掌で押さえて毛先を巻いていく方法等、いろいろあります。毛の長さやカットによって纏めやすい方法で構いません。
注意する事は、前も後ろも生え際から5pの部分に髪の毛が溜まらないようにすることです。
この部分に毛が溜まってしまうと、日本髪かつらの構造上、かつらの土台が浮いてしまい、合わせたかつらでも入いらなかったり頭が痛くなったりする原因になります。又ゴムで纏めて髷のように高さがでてしまうとかつらの奥行が合わなくなり最悪の場合入りません。入ったとしても安定が悪くなります。
 女形羽二重のつけ方9 紫の布を押さえている左手の上にかぶせ、その上から右手の平で押さえ直して、布の下の左手を抜き右手だけで押さえるようにします。  
 女形羽二重のつけ方10 押さえている毛束が落ちてこないように注意しながら押さえる手を左手に変えます。その際、左手は写真のように襟足あたりの布の上を押さえます。 
 女形羽二重のつけ方11 左手で押さえながら紫布の端についている白い紐を下は引きます。すると、紫布の両脇が締まってきます。
この状態で襟足の毛が出ていたらコームの柄で中に入れ込みましょう。
この白い紐を引くのは白い布を巻いてからの方法もあります。今回はこの時点で引いておきます。なぜなら引く事によって布の両端にテンションが掛かり残った毛が入れやすくなるからです。 
左手の指は写真のようにVの字で襟足を押さえておいて下さい。
 女形羽二重のつけ方12 右側の白布を頭に巻いていきます。
後ろに廻った布は写真のように親指で押さえておきます。これで左手が 使えます
 女形羽二重のつけ方13 自由になった左手で左側の白布を巻いていき、交差して軽く締めます。締めすぎると気持ち悪くなるので本人にききながら行って下さい。
締める位置は襟足だと思って下さい。上すぎるとすっぽ抜けてしまします。耳の後ろの骨に掛かるようにすると緩みにくくなります。 
 女形羽二重のつけ方14 後ろで交差して上になっている白布を引っ張っていてもらいましょう。
上になっている布で押さえられているのでもう片方をはなしても緩みません。
 女形羽二重のつけ方15 右手で右側の白布を前に廻していきます。その際、揉み上げの毛を左手の指で 引き上げるようにして白布の中に隠し入れます。
 女形羽二重のつけ方16 白布を顔の前側に巻いていきます。最初に巻いてある白布と同じ場所に巻かないようにしてください。写真のように揉み上げの前あたりの肌に白布を指で押しつけます。(この部分にも滑り止めの為に太白が薄く塗られています)布を指で押さえながら右手で上方に皮膚を引上げるようにして 頭に巻いていきます。この際、目の脇の皮膚が引っ張り上げられて皺を延ばす効果と目を吊る効果があります。その為この部分を「目吊り」いいます。
巻いたら後ろの部分に貼り付けます。(白布の端には、太白が多めに塗ってあり糊の役目をしています。)
 女形羽二重のつけ方17 左手で左側の布を前にまわしていきます。右側と同じように、揉み上げの毛を右手の指で引き上げるようにして白布の下に隠し入れ ます。
 女形羽二重のつけ方18 右側と同じ様にまいていきます。
目吊りのやり方もおなじです。
けっして白布は前に巻いてある布と同じ場所には巻きません。鉢巻のように、同じところに巻いてしまうと、肌と羽二重とのあいだに布3枚分の段差ができてしまい、化粧で段差を隠せません。又、かつらの淵の部分なので分厚くなってしまうとかつらの生え際が浮いてしまいます。 注意してください。
 女形羽二重のつけ方19  前から廻してきた布を写真のように後ろに張り付ける
 女形羽二重のつけ方19  おでこの部分の白布は、同じ場所を通らずに写真のような重なり方になります。
 女形羽二重のつけ方20 紫布についている紐を下方に引きます。 
 女形羽二重のつけ方21  白布の下の紫布を丁寧に下方向へ引いて頭頂部の布のたるみをとっていきます。
 女形羽二重のつけ方22  紫布の紐が出ている部分を持ち、左右に交差します。。
 女形羽二重のつけ方23  交差したら耳の上方を通って前に廻します。
 女形羽二重のつけ方24  紐を前(おでこの上の白布の上)で交差して後ろはまわします。
 女形羽二重のつけ方25
前で交差した紐を後ろへ廻して、2回からげて(手を離しても緩まないように)蝶結びにして余った紐を締めた紐の間にはさみこみます。
これで完成です。
 女形羽二重のつけ方26  
 女形羽二重のつけ方27  
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